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2023年5月15日 IP情報

【特許権侵害訴訟・知財高裁控訴審判決(勝訴)確定のお知らせ】 昨年7月に知財高裁で勝訴の判決が出た裁判(車両誘導システム事件)について、被告のNEXCO東日本が最高裁に上告及び上告受理申立をしていましたが、本年5月10日、上告を棄却するという決定、上告審として受理しないという決定が出ました。これにより、原告(有限会社PXZ)の勝訴が確定しましたので、お知らせ致します。

決定の内容

   事件の表示     令和4年(オ)第1767号

             令和4年(受)第2208号

   決 定 日     令和5年5月10日

   裁 判 所     最高裁判所第一小法廷

   裁判長裁判官    安浪 亮介

      裁判官    山口 厚、深山 卓也、岡 正晶、堺 徹

   原判決の表示    知的財産高等裁判所令和2年(ネ)第10042号

             (令和4年7月6日判決)

   上告人兼申立人   東日本高速道路株式会社

   同訴訟代理人弁護士 清水 節 ほか

   被上告人兼相手方  有限会社PXZ

   同訴訟代理人弁護士 鷹見 雅和 ほか

   主文

    1 本件上告を棄却する。

    2 本件を上告審として受理しない。

    3 上告費用及び申立費用は上告人兼申立人の負担とする。

 

訴訟の経緯及び所感

 知財高裁判決までの経緯は、本HPの2022年8月18日付け「IP情報」に記載の通りですが、知財高裁判決に対し、被告は、最高裁に上告及び上告受理申立を行っていました。

 原告としては、知財に関する専門裁判所としての知的財産高等裁判所が出された判決については、さらに最高裁で争ったとしても覆るケースは極めて稀であるという過去の事実に鑑み、被告においては最高裁への手続は行わず知財高裁の判決を受け入れてくれるのではないかと期待していたところもありましたが、事実は違ってしまいました。

 最高裁の判断を仰ぎたいという被告の立場も理解できますので、致し方ないとも思いますが、結果として決して短くはない10ヶ月程の期間をただ単に待っていた原告のことを考えますと、正直心が痛みます。

 今般の最高裁の決定により知財高裁の判決は確定しましたので、NEXCO東日本は、佐野SICを含む他のSICについての全面的な解決に向けて、鋭意努力されることを切に願うばかりであります。

 

所長弁理士 田中秀喆

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